概要
テスラCEOのイーロン・マスク氏が、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の最新報道に対して強く反発しています。WSJは、テスラ取締役会がマスク氏の政治活動や複数事業への関与を懸念し、CEOの交代を模索していると報じましたが、マスク氏と取締役会はこれを「完全な虚偽」と否定しました。この騒動は、近年暗号資産業界の幹部たちがWSJの報道姿勢に対して批判を強めている流れに合流するものとなっています。
WSJのテスラ報道とマスク氏の反発
4月30日、WSJはテスラ取締役会がマスク氏のCEO交代を検討し、人材紹介会社に接触していると報じました。この報道に対し、マスク氏はSNS「X」上で「極めて悪質な倫理違反」と強く非難。テスラ取締役会からの「明確な否定」をWSJが意図的に無視して虚偽の情報を公表したと主張しました。
テスラ取締役会議長のロビン・デンホルム氏も公式に反論し、「これは完全に虚偽の報道です。テスラのCEOはイーロン・マスクであり、取締役会は彼の能力と今後の成長計画の実行に強い信頼を置いています」と述べています。
この報道は、マスク氏がトランプ大統領の政府効率化部門(DOGE)の顧問を務めるなど政治的活動を強める中で起きました。批評家たちは、マスク氏のトランプ政権への関与がテスラのブランドイメージを特に国際市場で損なっていると指摘しています。実際、テスラの第1四半期の利益は71%減少し、時価総額も年初から8,000億ドル以上下落しています。
暗号資産業界幹部たちによるWSJ批判の高まり
マスク氏のWSJに対する批判は、暗号資産業界の幹部たちからも同様の声が上がっている中での出来事です。4月12日には、バイナンス元CEOのチャンペン・ジャオ氏が、自身がトロン創設者のジャスティン・サン氏に対する証拠を米司法省に提供する取引に合意したとするWSJの報道を否定しました。
ジャオ氏はX上で「WSJは本当に『頑張って』いますね。誰が刑務所に行き、誰が行かなかったのか忘れたようです。政府の証人になる人は刑務所に行きません。彼らは保護されます。WSJの従業員に私を中傷するためのお金が支払われたと聞きました」と批判しました。
また2023年3月には、ステーブルコイン発行企業のテザー社もWSJの報道を「古い」「不正確」「誤解を招く」として反論しています。WSJは同社が銀行口座維持のために偽造文書やペーパーカンパニーを使用したと報じていました。
テスラのビットコイン保有と事業状況
注目すべき点として、テスラは2025年第1四半期もビットコイン保有を継続しています。同社のデジタル資産保有額は、ビットコインの価格下落(11.56%減)に伴い、10億7,600万ドルから9億5,100万ドルへと11.61%減少しました。
テスラの第1四半期業績は厳しく、売上高は193億4,000万ドルとなり、ウォール街の予想を7.85%下回り、前年同期比では9.2%の減少となりました。マスク氏は株主からの圧力を受け、SpaceX、Neuralink、X、xAIなど他の事業よりもテスラに多くの時間を割くことに同意したと報じられています。
まとめ:メディアの責任と暗号資産業界の関係性
この一連の出来事は、伝統的な金融メディアと新興の暗号資産業界・テクノロジー企業の間の緊張関係を浮き彫りにしています。WSJのような伝統的な金融メディアは、暗号資産業界やイーロン・マスクのような革新的な企業家に対して懐疑的な姿勢を取ることが多く、時に両者の間で事実認識の相違が生じています。
日本の投資家にとっては、海外メディアの報道を鵜呑みにせず、複数の情報源から事実関係を確認することが重要です。特に暗号資産業界に関しては、伝統的なメディアが持つバイアスを考慮しつつ、企業の公式発表や市場データなど、より直接的な情報源も参照することが賢明でしょう。
テスラのビットコイン保有継続という事実は、マスク氏が暗号資産に対して依然として前向きな姿勢を持っていることを示唆しており、今後の暗号資産市場の動向を考える上で重要な指標となるかもしれません。
本記事はCointelegraphの「’Bad breach of ethics’ — Musk echoes crypto execs in backlash against WSJ」を翻訳・要約したものです。
元記事: ‘Bad breach of ethics’ — Musk echoes crypto execs in backlash against WSJ (Cointelegraph)
この記事はClaudeを使用して英語記事を翻訳・要約したものです。2025年05月01日翻訳